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文章関連、料金の目安一覧
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※料金、納期は依頼内容により変わります。
※極端にお急ぎの執筆依頼は受け付けていません。
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【小説執筆】
料金の目安…二次創作の場合、1文字0.5円で計算
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例…5000文字…2500円 (目安)
一次創作作品の執筆依頼は、現在受け付けていませんがご相談は可能です。
ただし執筆可能なクオリティのプロットがある物に限ります。
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★小説は二次創作、一次創作にかかわらず、著作権譲渡なし
(商用利用、同人誌収録の場合、執筆者名sungen、または霖雨亜樹でお願いします)
【プロット】
1本…3000円(目安。このページのサンプル程度の物)
想定文字数、想定ページ数などにより変わります。
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★希望文字数・漫画の場合は希望ページ数により個別見積もり。
(奥付などにクレジット必要。プロットsungen、または霖雨亜樹でお願いします)
【シナリオ執筆】YouTube系動画など。ゆっくり、ずんだもん。
プロットがある状態の物を動画テロップに適した文章にします。
書き方形式の見本があるとやりやすいです。
値段は個別お見積もり。コミッションサイトでも依頼可能です。
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★シナリオのサンプル文章はこちら★
YouTube系シナリオ サンプル文章(プライベッター)
※↓下の文章です
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プロット/シナリオのサンプル
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YouTube系のシナリオのサンプル文章です。
※こちらはプロット、シナリオ共に、サンプル用としてsungenが作成した物になります。転載禁止です。
※こちらはプロット、シナリオ共に、サンプル用としてsungenが作成した物になります。転載禁止です。
制作時間…プロット/3時間程度(1223文字)、シナリオ本文/4時間程度(4613文字)。
【登場人物】
女(主人公):ハナコ 20代 女子大生
男:タロウ:ハナコの就職先(情報セキュリティ)会社の新入社員
黒猫:クロ(オス)
【タイトル】
黒猫が結ぶ縁?神社で傷ついた黒猫を助けたら神様のお使いだった!
【プロット】
主人公ハナコは信心深い家に育ち、毎週神社へのお参りを欠かさない。
ハナコがよく行く神社は地元の大きな神社で、ハナコはそこの雰囲気が好き。
ある日ハナコは神社(お堂の軒下)で喧嘩している野良猫たちを見つけた。
この神社ではあまり見かけないが、神社に野良猫がいることは珍しくない。
喧嘩しているな、とお参りをしようと思ったのだが、様子が違う。
数匹の野良猫に囲まれて戦っているのは、痩せた黒猫だった。
ハナコは一目でその猫が他と違う、神様のお使いだと気付く。
ハナコの祖母はいわゆる見える人で、ハナコ自身は見えないが、少しだけ気配を感じ取ることがある。
ハラハラしつつ見守っていると、黒猫は勇敢に戦い、野良猫達に勝った。
黒猫は頭と前足に怪我をしていた。
住職を呼ぶかと尋ねたところ、罰が悪いのか、嫌そうにした。
動物病院に行くかと尋ねると、頷いた。
この神社ではあまり見かけないが、神社に野良猫がいることは珍しくない。
喧嘩しているな、とお参りをしようと思ったのだが、様子が違う。
数匹の野良猫に囲まれて戦っているのは、痩せた黒猫だった。
ハナコは一目でその猫が他と違う、神様のお使いだと気付く。
ハナコの祖母はいわゆる見える人で、ハナコ自身は見えないが、少しだけ気配を感じ取ることがある。
ハラハラしつつ見守っていると、黒猫は勇敢に戦い、野良猫達に勝った。
黒猫は頭と前足に怪我をしていた。
住職を呼ぶかと尋ねたところ、罰が悪いのか、嫌そうにした。
動物病院に行くかと尋ねると、頷いた。
バイト代で自腹を切って、動物病院で治療して貰ったところ、大した事は無かった。
お腹が空いているようなので、できれば何か食べさせるように言われた。
神社の猫だと伝えたら、動物病院の先生が、あそこの神社の住職は猫に餌はやっていないという。
心配しつつも、コンビニで買った餌を与えて数日面倒を見た。
お腹が空いているようなので、できれば何か食べさせるように言われた。
神社の猫だと伝えたら、動物病院の先生が、あそこの神社の住職は猫に餌はやっていないという。
心配しつつも、コンビニで買った餌を与えて数日面倒を見た。
お別れの時、特に感謝した様子もなく去って行った。
懐くかと思ったが杞憂だった。
懐くかと思ったが杞憂だった。
一年後。
あれからも神社に参拝したが、黒猫を見かけることはなかった。
ハナコは猫が恋しくなり、家族と相談して保護猫を引き取ることにした。
ところが、いざ譲渡会で見つけたのはあの黒猫だった。
半年ほど前に保護されたのだが、誰にも懐かず残っているのだという。
ハナコは即決で引き取る。
クロと名付け、クロはハナコの家の一員になった。
あれからも神社に参拝したが、黒猫を見かけることはなかった。
ハナコは猫が恋しくなり、家族と相談して保護猫を引き取ることにした。
ところが、いざ譲渡会で見つけたのはあの黒猫だった。
半年ほど前に保護されたのだが、誰にも懐かず残っているのだという。
ハナコは即決で引き取る。
クロと名付け、クロはハナコの家の一員になった。
それから不思議な事が何回かあった。
神社が気になるのかクロは外に出たがるので、散歩は自由にさせていた。
ハナコが嫌だな、と思っていた場所を通るとき、いつのまにか近くにいたり。
捜し物を咥えて持ってきたり。(クロが隠したわけでは無い)
隣の町の神社で見かけた、という話を聞いたりした。
クロは散歩がてら、神社の見回りをしているようだ。
神社が気になるのかクロは外に出たがるので、散歩は自由にさせていた。
ハナコが嫌だな、と思っていた場所を通るとき、いつのまにか近くにいたり。
捜し物を咥えて持ってきたり。(クロが隠したわけでは無い)
隣の町の神社で見かけた、という話を聞いたりした。
クロは散歩がてら、神社の見回りをしているようだ。
ハナコは働き始めて、忙しくなったが、神社のお参りを欠かしたことは無い。
散歩がてら土、日の週末が中心となっていた。
ある週末クロが体調を崩した。
悪いものでも食べたのかと思ったが、月曜にはけろりとしていて、ハナコはいつもなら行かない月曜の早朝、出勤前に神社に立ち寄った。
散歩がてら土、日の週末が中心となっていた。
ある週末クロが体調を崩した。
悪いものでも食べたのかと思ったが、月曜にはけろりとしていて、ハナコはいつもなら行かない月曜の早朝、出勤前に神社に立ち寄った。
そこである男性参拝客に出会う。
どこかで見たことがある気がしたが、気のせいだと思って会釈した。
すると男性から、ハナコさんですよね?と話し掛けてきた。
男性はハナコの勤める会社の、情報セキュリティ会社の新入社員だった。
神社へは、最近悪い事が続いたので、ずいぶん久しぶりに来たという。
どこかで見たことがある気がしたが、気のせいだと思って会釈した。
すると男性から、ハナコさんですよね?と話し掛けてきた。
男性はハナコの勤める会社の、情報セキュリティ会社の新入社員だった。
神社へは、最近悪い事が続いたので、ずいぶん久しぶりに来たという。
その後、会社に男性が来たときに軽く会話する仲になり、男性から食事に誘われ、交際することになった。クロは男性によく懐いた。
今度、両親に挨拶する。
気のせいかもしれないが、ハナコはクロのおかげだと思っている。
今度、両親に挨拶する。
気のせいかもしれないが、ハナコはクロのおかげだと思っている。
(おわり)
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【シナリオ本文】
私はハナコ。就活を控えた女子大生だ。
特にこれといった特技はないけど、昔から、毎週神社へのお参りは欠かさない。
よく「変わってるね」って言われるけど、私の祖母が信心深い人で、昔は一緒によくお参りに行っていたの。
気分転換にもなるし、その習慣が今も続いているんだ。
私が良く行く神社は地元の大きな神社で、私の家から五分くらいの距離にある。
私はその神社の雰囲気が大好き。落ち着くって言うのかな。近くて庭みたいな感覚だ。
特にこれといった特技はないけど、昔から、毎週神社へのお参りは欠かさない。
よく「変わってるね」って言われるけど、私の祖母が信心深い人で、昔は一緒によくお参りに行っていたの。
気分転換にもなるし、その習慣が今も続いているんだ。
私が良く行く神社は地元の大きな神社で、私の家から五分くらいの距離にある。
私はその神社の雰囲気が大好き。落ち着くって言うのかな。近くて庭みたいな感覚だ。
週末。私はいつも通り神社へお参りに行った。
すると。
「あれ?野良猫?」
お堂の軒下で喧嘩している野良猫たちを見つけた。
この神社で野良猫はあまり見た事が無いけれど、神社やお墓に野良猫がいるのは珍しくない。
黒猫が一匹、三毛猫、サバトラ、茶トラが一匹ずつ。
黒猫が一番痩せていた。
どうやら痩せた黒猫に、残りの三匹が文句を付けているようだった。
猫パンチ、猫キック、引っ掻き、噛み付き…中々激しい。
(派手に喧嘩してるな…)
私は気にせずお参りをしようと思ったけど…黒猫を見てある事に気が付いた。
(あっ。この黒猫は氏神様のお遣いだ)
私の祖母は幽霊が見えたり。
不思議な物が見えたり。
人じゃ無い物の気配を感じられる人だった。
それもあって祖母は信心深かったんだ。
私が幼い頃、祖母は…。
「ここは通っちゃ駄目」
「これはしてはいけないよ」とか。
「今神様が来ているとか」とか。
色々教えてくれた。
私自身は見えないけれど、少しだけ気配を感じ取ることできた。
そのことはもちろん母も知っているけど、母自身はさっぱり何も感じないって言うから、きっと隔世遺伝だろうって言われた。
祖母は色々な物が見えるせいで、苛められたり、具合が悪くなったり苦労したらしいから、私も誰にも言っていない。
けれど真面目に生きてきた祖母は、私の考え方や行動に、とても大きな影響を与えていた。
すると。
「あれ?野良猫?」
お堂の軒下で喧嘩している野良猫たちを見つけた。
この神社で野良猫はあまり見た事が無いけれど、神社やお墓に野良猫がいるのは珍しくない。
黒猫が一匹、三毛猫、サバトラ、茶トラが一匹ずつ。
黒猫が一番痩せていた。
どうやら痩せた黒猫に、残りの三匹が文句を付けているようだった。
猫パンチ、猫キック、引っ掻き、噛み付き…中々激しい。
(派手に喧嘩してるな…)
私は気にせずお参りをしようと思ったけど…黒猫を見てある事に気が付いた。
(あっ。この黒猫は氏神様のお遣いだ)
私の祖母は幽霊が見えたり。
不思議な物が見えたり。
人じゃ無い物の気配を感じられる人だった。
それもあって祖母は信心深かったんだ。
私が幼い頃、祖母は…。
「ここは通っちゃ駄目」
「これはしてはいけないよ」とか。
「今神様が来ているとか」とか。
色々教えてくれた。
私自身は見えないけれど、少しだけ気配を感じ取ることできた。
そのことはもちろん母も知っているけど、母自身はさっぱり何も感じないって言うから、きっと隔世遺伝だろうって言われた。
祖母は色々な物が見えるせいで、苛められたり、具合が悪くなったり苦労したらしいから、私も誰にも言っていない。
けれど真面目に生きてきた祖母は、私の考え方や行動に、とても大きな影響を与えていた。
痩せた黒猫…。
「お遣いを見つけたら挨拶をするんだよ」
と祖母に言われていたけれど。実際見たのは初めてだ。
この子がお遣いなんて、ここの神様、大丈夫なのかな。
あっ、また三毛猫の猫パンチ…。
ハラハラしながら見守っていると、黒猫は猛烈なパンチを繰り出して反撃して、ついには三匹の野良猫を追い払ってしまった。
この黒猫、逞しい。
私は感心して思わず。
「強いね」
と声をかけてしまった。
すると黒猫は初めてこちらに気が付いた様子で。
「ナ゛~ッ!」と低く可愛くない声で鳴いて威嚇した。
まるで俺に話しかけるな!と言わんばかりだ。
お前はどこかのじいちゃんか。
この感じは…どことなく、祖父に似ている。
毛繕いの様子なんて、あぐらをかく祖父にそっくりだ。
私はお参りをして立ち去ろうとした。お参りの後も黒猫は毛繕いをしていた。
その様子を見て、私はある事に気が付いた。
黒猫はあちこち怪我をしていた。
喧嘩、激しかったもんね…。傷が痛いのかな?しきりに体を舐めている。
一番大きな傷は目の上と、後は左前足。黒猫だから分かりにくいけど、お堂の石垣に少し血が付いていた。
「あの~住職さん呼んで来ましょうか?」
私は思わず、敬語で話しかけた。
すると黒猫は、明らかに嫌そうな、ちょっと罰が悪そうな顔をした。
猫にも表情ってあるんだ。
「でも怪我酷いよ。動物病院に行く?」
黒猫は私をじっと見ている。
「…ナ…」
その時、はっきりと「行く」と言ったのが分かった。
私が抱き上げると、黒猫は大人しく腕の中に収まった。
私はそれから母に電話して、銀行へ行き、貯めてあったバイト代を下ろして、母と二人で相談して、街の動物病院へ行った。
動物病院なんて初めてで、野良猫だし緊張した。飼えって言われたらどうしよう。
動物病院の先生は六十歳くらいの、恰幅の良い優しそうな人だった。
「飼う気は無いんですが…」
と言った私にも嫌な顔をせず、むしろ笑顔で対応してくれた。
「神社の猫なんです」
と伝えたら、先生は。
「ああ。あそこの猫か…」
と言った。
「あそこの住職、野良猫には餌をやらないんだよ。でも、居着かれても困るから、仕方無いんだろうね」
先生の言葉に私は納得した。
あの神社に野良猫が少ないのは、そのことを分かっているからなのかな。
「この子はどうですか?怪我は…」
「前足を少し縫おうか。でも今、病床がいっぱいで。家で預かってもらう事になるけど、大丈夫かな」
「治るまで、どのくらいかかりますか?」
「これなら一週間もすれば大丈夫だよ。懐かれちゃったら飼うしか無くなるけど…」
私はお母さんと相談して、もし懐いたら引き取るつもりで、家に連れて帰った。
先生は餌の説明や、注意する事を教えてくれた。
キャットフードはこの病院にもあるけど、一週間くらいならどこかお店で買った方が安いと言われた。途中、コンビニでとりあえず今日の餌を買って、明日また別のお店で買おうという事になった。
車の中でお母さんとは。
「懐いたら仕方無いね。でも、懐かないようにしないと」
なんて会話をした。
でも、この黒猫。
「シャー!」
「グルルルルル!」
びっくりする程、懐かなかった。
お別れの時も、特に感謝した様子もなく去って行った。
動物病院なんて初めてで、野良猫だし緊張した。飼えって言われたらどうしよう。
動物病院の先生は六十歳くらいの、恰幅の良い優しそうな人だった。
「飼う気は無いんですが…」
と言った私にも嫌な顔をせず、むしろ笑顔で対応してくれた。
「神社の猫なんです」
と伝えたら、先生は。
「ああ。あそこの猫か…」
と言った。
「あそこの住職、野良猫には餌をやらないんだよ。でも、居着かれても困るから、仕方無いんだろうね」
先生の言葉に私は納得した。
あの神社に野良猫が少ないのは、そのことを分かっているからなのかな。
「この子はどうですか?怪我は…」
「前足を少し縫おうか。でも今、病床がいっぱいで。家で預かってもらう事になるけど、大丈夫かな」
「治るまで、どのくらいかかりますか?」
「これなら一週間もすれば大丈夫だよ。懐かれちゃったら飼うしか無くなるけど…」
私はお母さんと相談して、もし懐いたら引き取るつもりで、家に連れて帰った。
先生は餌の説明や、注意する事を教えてくれた。
キャットフードはこの病院にもあるけど、一週間くらいならどこかお店で買った方が安いと言われた。途中、コンビニでとりあえず今日の餌を買って、明日また別のお店で買おうという事になった。
車の中でお母さんとは。
「懐いたら仕方無いね。でも、懐かないようにしないと」
なんて会話をした。
でも、この黒猫。
「シャー!」
「グルルルルル!」
びっくりする程、懐かなかった。
お別れの時も、特に感謝した様子もなく去って行った。
一年後。
私は地元の会社に就職した。覚える事が多くて、忙しい。
就職してからも、黒猫の事が気になって、毎週参拝していたけれど、あれから神社であの黒猫を見かけることは無かった。
「猫、飼いたいなぁ」
たった一週間だったけど、私は猫の虜になっていた。
お母さんも猫を可愛いと思った様子だけど、お父さんの方が猫好きだ。
お給料を貰うようになって、でも実家暮らしだし、これと言った使い道も無い。
思い浮かぶのは…やっぱり、猫の事だ。
私は家族と相談して、保護猫を迎える事にして、どきどきしながら譲渡会に予約した。
ところが。
私は地元の会社に就職した。覚える事が多くて、忙しい。
就職してからも、黒猫の事が気になって、毎週参拝していたけれど、あれから神社であの黒猫を見かけることは無かった。
「猫、飼いたいなぁ」
たった一週間だったけど、私は猫の虜になっていた。
お母さんも猫を可愛いと思った様子だけど、お父さんの方が猫好きだ。
お給料を貰うようになって、でも実家暮らしだし、これと言った使い道も無い。
思い浮かぶのは…やっぱり、猫の事だ。
私は家族と相談して、保護猫を迎える事にして、どきどきしながら譲渡会に予約した。
ところが。
「あっ。この猫!」
そこにいたのは、あの黒猫だった。
オス。四歳。去勢済み。
ふてぶてしい様子は、間違えるはずも無い。
そこにいたのは、あの黒猫だった。
オス。四歳。去勢済み。
ふてぶてしい様子は、間違えるはずも無い。
お母さんもお父さんも、あの猫だと言った。
何より、お遣いオーラは健在だった。
運命だと思って、引き取ろうかという話をしていると。
譲渡会のスタッフが近づいて来た。
「この子が気になりますか? …でも、この子は」
もしや譲渡先が決まっているのか、と残念に思ったけれど。
「ぜんぜん、誰にも懐かないんです!私達にも愛想が無くて」
スタッフの言葉に私達は苦笑した。
「でしょうね、私、実は…」
私は一年前、この猫を病院へ連れて行った事があると話した。
神社の猫だから、治った後は放してしまった事も、正直に話した。
怒られるかと思ったけどスタッフは理解してくれた。
それより病院に連れて行ってもらえて良かったと言ってくれた。
何より、お遣いオーラは健在だった。
運命だと思って、引き取ろうかという話をしていると。
譲渡会のスタッフが近づいて来た。
「この子が気になりますか? …でも、この子は」
もしや譲渡先が決まっているのか、と残念に思ったけれど。
「ぜんぜん、誰にも懐かないんです!私達にも愛想が無くて」
スタッフの言葉に私達は苦笑した。
「でしょうね、私、実は…」
私は一年前、この猫を病院へ連れて行った事があると話した。
神社の猫だから、治った後は放してしまった事も、正直に話した。
怒られるかと思ったけどスタッフは理解してくれた。
それより病院に連れて行ってもらえて良かったと言ってくれた。
「どうしましょう、撫でてみますか?」
スタッフさんの言葉に、私は勇気を出して頷いた。
この黒猫、本当に愛想が無いし、触るのも、病院の先生にしかできなかった。
保護していたときは、お皿を置いていただけだったし。トイレは勝手にしていたし。
抱っこなんてできるんだろうか…。
でも、予想に反して、黒猫は大人しかった。
私が撫でても、少し嫌そうにするだけで、スタッフがみんな驚いていた。
それどころか、興味深そうに私を見上げている。
「抱っこしてみますか?」
私は恐る恐る「猫ちゃん」と黒猫を呼んだ。
すると黒猫はこちらへ歩いて来て…。
私の腕にすっぽり収まった。
「すごい、抱っこできるなんて。きっとあなたの事を覚えているんでしょうね」
スタッフに言われて、私はそうかもしれないと思った。
「うちにくる?」
と言ったら、黒猫は。
まあいいか、というように私の腕に寄り添った。
私は黒猫にクロと名付け、クロはわが家の一員になった。
スタッフさんの言葉に、私は勇気を出して頷いた。
この黒猫、本当に愛想が無いし、触るのも、病院の先生にしかできなかった。
保護していたときは、お皿を置いていただけだったし。トイレは勝手にしていたし。
抱っこなんてできるんだろうか…。
でも、予想に反して、黒猫は大人しかった。
私が撫でても、少し嫌そうにするだけで、スタッフがみんな驚いていた。
それどころか、興味深そうに私を見上げている。
「抱っこしてみますか?」
私は恐る恐る「猫ちゃん」と黒猫を呼んだ。
すると黒猫はこちらへ歩いて来て…。
私の腕にすっぽり収まった。
「すごい、抱っこできるなんて。きっとあなたの事を覚えているんでしょうね」
スタッフに言われて、私はそうかもしれないと思った。
「うちにくる?」
と言ったら、黒猫は。
まあいいか、というように私の腕に寄り添った。
私は黒猫にクロと名付け、クロはわが家の一員になった。
それから不思議な事が何回かあった。
神社が気になるのかクロは外に出たがるので、散歩は自由にさせていた。
私が近所で「嫌だなぁ」と思っていた場所を通るとき、いつのまにか近くにいたり。
「お母さん、テレビのリモコンが無いんだけど」
「ナー」
探し物の近くで鳴いたり。
「そういえば、お宅の猫、向こうの神社で見かけたわよ」
隣の町の神社で見かけた、という話を聞いたりした。
神社が気になるのかクロは外に出たがるので、散歩は自由にさせていた。
私が近所で「嫌だなぁ」と思っていた場所を通るとき、いつのまにか近くにいたり。
「お母さん、テレビのリモコンが無いんだけど」
「ナー」
探し物の近くで鳴いたり。
「そういえば、お宅の猫、向こうの神社で見かけたわよ」
隣の町の神社で見かけた、という話を聞いたりした。
私は働き始めて、忙しくなったけれど、相変わらず、神社のお参りを欠かしたことは無い。
クロを飼い猫にして良かったのだろうか、という思いあった。
でもあるとき、神社でクロに会った。
クロは散歩がてら、神社の見回りをしているようだ。
私はほっとして、氏神様にクロの様子を報告をした。
クロを飼い猫にして良かったのだろうか、という思いあった。
でもあるとき、神社でクロに会った。
クロは散歩がてら、神社の見回りをしているようだ。
私はほっとして、氏神様にクロの様子を報告をした。
ある週末、クロが突然体調を崩した。
お腹を壊してしまったらしい。
私は慌てて動物病院へ行って、土日はクロの看病で潰れた。
でも、クロは日曜の夜にはけろりとしていて…。
「ナァ」
憎たらしい顔で食事の催促をしてくる。
最近は撫でさせてくれたり。玩具が大好きだったり。可愛い所もあるんだけどな。
「お参り、忘れちゃったな…」
クロも家に馴染んだし、私はそろそろ、お参りをやめようかな、と思っていた。
お腹を壊してしまったらしい。
私は慌てて動物病院へ行って、土日はクロの看病で潰れた。
でも、クロは日曜の夜にはけろりとしていて…。
「ナァ」
憎たらしい顔で食事の催促をしてくる。
最近は撫でさせてくれたり。玩具が大好きだったり。可愛い所もあるんだけどな。
「お参り、忘れちゃったな…」
クロも家に馴染んだし、私はそろそろ、お参りをやめようかな、と思っていた。
最後のつもりで、私はいつもなら行かない月曜の早朝、出勤前に神社に立ち寄った。
神社には先客がいた。
若いスーツ姿の男性で、私はその後ろ姿をどこかで見た事がある気がした。
男性は作法通りに、二拍手、二礼して、手を合わせて、しっかりとお参りをしている。
最後に一礼して、男性が階段を下りてきた。
私が会釈して、男性とすれ違おうとしたとき。
「あれ?」
と男性が声を発した。
「あの、ハナコさん?」
名前を言われたことに驚いて、私は男性を見た。
「あっ…」
そう言えば。男性の顔に見覚えがあった。けど、名前が浮かばない。
「あ、ええと、タロウって言います」
その男性はタロウさんと言って、私の務める会社の、情報セキュリティ会社の人だった。
たまに出入りして、パソコンのメンテナンスをしてくれる人だ。
新卒だって紹介されて、私も挨拶した覚えがある。
「ああ。セキュリティ会社の…! こんなところで、お参りですか」
「はい。まあ…ハナコさんもですか?」
「ええ。私は家が近いので…もしかして、タロウさんもこの辺りですか?」
「はい。隣町です。あっ、お参りどうぞ」
私は頷いて、とりあえずお参りをした。
神社には先客がいた。
若いスーツ姿の男性で、私はその後ろ姿をどこかで見た事がある気がした。
男性は作法通りに、二拍手、二礼して、手を合わせて、しっかりとお参りをしている。
最後に一礼して、男性が階段を下りてきた。
私が会釈して、男性とすれ違おうとしたとき。
「あれ?」
と男性が声を発した。
「あの、ハナコさん?」
名前を言われたことに驚いて、私は男性を見た。
「あっ…」
そう言えば。男性の顔に見覚えがあった。けど、名前が浮かばない。
「あ、ええと、タロウって言います」
その男性はタロウさんと言って、私の務める会社の、情報セキュリティ会社の人だった。
たまに出入りして、パソコンのメンテナンスをしてくれる人だ。
新卒だって紹介されて、私も挨拶した覚えがある。
「ああ。セキュリティ会社の…! こんなところで、お参りですか」
「はい。まあ…ハナコさんもですか?」
「ええ。私は家が近いので…もしかして、タロウさんもこの辺りですか?」
「はい。隣町です。あっ、お参りどうぞ」
私は頷いて、とりあえずお参りをした。
参拝の後、電車が来るまで時間があったので、そのままタロウさんと少し話した。
タロウさんは溜息を吐いた。
「実は俺、最近、本っ当に、ツイて無くて。仕事で失敗するし。欲しかった帽子は目の前で買われるし、自転車の鍵は無くすし。他にも色々。極めつけは家族が事故に遭うしで…気持ちを切り替えたくて。珍しく早起きできたから、そうだお参りだと思って。ここなら駅も近いし」
不運が重なったタロウさんは、駅から近いこの神社に来たのだという。
「でも、まさかこんな時間に、ハナコさんに会うなんて。偶然だな」
「それが、私…」
私は、この神社によく参拝に来るのだと言った。
タロウさんは溜息を吐いた。
「実は俺、最近、本っ当に、ツイて無くて。仕事で失敗するし。欲しかった帽子は目の前で買われるし、自転車の鍵は無くすし。他にも色々。極めつけは家族が事故に遭うしで…気持ちを切り替えたくて。珍しく早起きできたから、そうだお参りだと思って。ここなら駅も近いし」
不運が重なったタロウさんは、駅から近いこの神社に来たのだという。
「でも、まさかこんな時間に、ハナコさんに会うなんて。偶然だな」
「それが、私…」
私は、この神社によく参拝に来るのだと言った。
その後、私の会社にタロウさんが来たときに軽く挨拶をする仲になって。
一年経った頃。
「あの…良かったら、今度、食事に行きませんか?」
タロウさんから食事に誘われ、お付き合いをすることになった。
一年経った頃。
「あの…良かったら、今度、食事に行きませんか?」
タロウさんから食事に誘われ、お付き合いをすることになった。
そして…実は今度、タロウさんの両親に挨拶する。
まだ若くて心配だろうけど、真面目に働くから、結婚して欲しいって言われたんだ。
もちろん私はOKした。
タロウさんも、ご両親と一緒に、私の家に来てくれたんだけど。
クロはタロウさんには、初めからよく懐いた。
「ニャ~」
ニャーなんて鳴き声、初めて聞いたよ。お母さんもお父さんも笑ってた。
…あの日クロがお腹を壊さなかったら、きっとタロウさんとは今も挨拶だけだった。
気のせいかもしれないけれど、私はクロのおかげだと思っている。
まだ若くて心配だろうけど、真面目に働くから、結婚して欲しいって言われたんだ。
もちろん私はOKした。
タロウさんも、ご両親と一緒に、私の家に来てくれたんだけど。
クロはタロウさんには、初めからよく懐いた。
「ニャ~」
ニャーなんて鳴き声、初めて聞いたよ。お母さんもお父さんも笑ってた。
…あの日クロがお腹を壊さなかったら、きっとタロウさんとは今も挨拶だけだった。
気のせいかもしれないけれど、私はクロのおかげだと思っている。
(おわり)